とにかく面白い本が読みたいという方に、極上のサスペンス作品をご紹介!

太田愛著『犯罪者 クリミナル(上・下)』(角川書店)をお勧めします。
著者は『相棒』や『TRICK』等のドラマを手掛けた脚本家でもあり、この小説もスピーディーでドラマティカルな展開が繰り広げられ、映像化すれば映えそうなシーンが盛りだくさんです。
物語は白昼に起きた通り魔事件から始まります。多数の被害者がでたその事件の生き残りの少年・修司。その後彼は執拗に命を狙われることになり、その過程で出会ったはぐれ者の刑事・相馬と元テレビ屋のフリーライター・鑓水とともに事件の真相を探ります。そのうちにその通り魔事件が、世間を騒がせる薬害事件と政治家と大企業との癒着問題に関係していることが発覚し、彼らはその黒幕に立ち向かっていくのです。
とにかくこれからどうなるのだろうと先の読めないどんでん返しの展開が続き、一気読みしたくなるほどハラハラドキドキとした気分が味わえます。また、登場人物たちの背景も深く書かれており、それぞれとても魅力的な人物に描かれています。3人のやり取りもテンポ良くて楽しいので、読んでいると彼らに好きな俳優さんをキャスティングしてみたくなるのでは?
エンターテイメント作品としても、大企業の闇を描いた社会派の作品としても楽しめること請け合いです。この小説は文庫化もされていますし、続編も出ているので、サスペンス好きな方にはせひ一度手に取ってもらいたいと思います。

ロードレースミステリー「サクリファイス」

私が好きな本は近藤史恵さんの「サクリファイス」です。自転車のロードレースを題材としたミステリーで長編にも関わらず飽きません。
主人公の男性は若いうちは陸上競技をやっていましたが、周囲からの期待やプレッシャーが鬱陶しくなり、あるとき、テレビで偶然見かけたロードレースに心奪われます。そして、陸上をやめ、ロードレースの世界に飛び込むのです。しかし、そこは、一癖も二癖もある猛者の犇めき合う世界でした。不安を抱えながらも、練習に打ち込み、やがて、大きなレースに抜擢される主人公。そこからが、本格的なミステリーの始まりでした。
かつて、自分の地位を脅かす後輩に、わざと怪我させたという恐い先輩。しかし、それは、その後輩が禁止されているドーピングをしていたからなのです。しかも、その後輩は、今度は主人公の活躍に目をつけ、車椅子を使う身になりながら、かつての先輩にも復讐をしようと画策します。そこで、恐いと思われていた先輩は、自らの命を犠牲にしてまで、主人公を守ろうとします。ところが、真犯人が別にいました。
息もつかせぬ迫力ある展開のミステリーで、しかも、主人公の恋愛も伏線として絡んできます。ロードレースのことを全く知らない私でも興味深く読めました。オススメの一冊です。

オススメサイト:http://www.xn--u8jwgzdsf758oxwl028h.com/

 

 

 

ファンタジー好きな女の子にお勧めしたい小説。

お勧めする本は、ライトノベルの「ちょーシリーズ」と呼ばれる長編です。
野梨原花南さん著書のシリーズ物で、題名が全て「ちょー」から始まり、
美女と野獣」、「魔法使いの弟子」などディズニーでもアニメ化された、
音楽に関係するネーミングになっています。
ファンタジーで、王子様と姫が出てくる王道ではありますが、
主人公達は少し風変わりな王子様と姫です。
美女と野獣のように、呪いをかけられ獣の姿になってしまった王子の元に、
凄く獣大好きな姫が嫁いできてしまいます。
ディズニーの美女と野獣を見た方はわかると思いますが、
真の愛の誓いをすると呪いは解けてしまいます。
しかし姫は人間が嫌いなので、もう一度獣になるように魔法をかけ直すという所から始まってしまいます。
冒頭から少しおかしな展開で始まりますが、軽快なギャグからシリアスまでしっかり書き込まれており、
文章が苦手な人でもファンタジーが好きなら、次々と読んでいけると思います。
挿絵も美麗で、宮城とおこさんという繊細なイラストを描く方が担当しているので、
イラストも合わせて楽しんで読んで貰えたらと思います。
完結していますが、全19巻と、番外編、派生品があり、長く楽しめます。
姫と王子のラブロマンスとギャグのお話なので、女性にお勧めです。

ミステリ好きなら必修『十角館の殺人』

私のおすすめは綾辻行人さんの『十角館の殺人』です。ミステリ好きなら知らない人はいないくらいの超名作で、新本格ミステリの旗揚げともいわれる作品です。綾辻さんのデビュー作でもあります。
あらすじとしては、大学の推理小説研究会のメンバーが無人島へ遊びに行き、外界と隔離された中で殺人事件が起きるというオーソドックスなものです。しかし決してありきたりな物語ではなく、ミステリ好きな登場人物達の巧妙な設定や事件の起きる島の中と外を交互に描く手法、そしてラストにたった一行で世界が一変する推理小説ならではのカタルシスなどなど、見どころ満載で何度読んでも楽しめる作品です。
本作は綾辻行人さんの「館シリーズ」の第一作にあたり、十角館のあとに現在8作品が出版されています。すべて「○○館の殺人」というタイトルで、十角館に登場する建築家の手がけた館を舞台に事件が起こるストーリーです。シリーズ作品として微妙なつながりや伏線が張り巡らされていて通して読んでも面白いし、バラバラに一作ずつ読んでも十分楽しめます。
最近の新しいミステリには「館シリーズ」を意識したと思われる演出や設定があったりするので、推理小説好きだけどまだ読んだことないという人は絶対に読んでみたほうが良いと思います!

 

オススメハードボイルドとミステリのオススメ

私の好きな本は大沢在昌さんのアルバイト探偵シリーズです。
何と言っても出てくる人たちが、ハズレなく渋くカッコ良いのです。シリーズですので、続いている部分もありますが、一話完結型なので、どこから読んでも楽しいと思います。もちろん、オススメはシリーズ最初から読むことです。
ハードボイルドの分野ですが、主人公は高校生。普通の高校生です。携帯が普及していなかったり、私には少し時代背景が分からないところもありますが、気にはなりません。気にならない位の魅力を登場人物が持っているのです。
話の内容は高校生が国家と関わったり、王女を護ったり、普通ならないないと笑ってしまう話が描かれています。そのあり得ない話の中に夢がつまっているのです。
読み進めるワクワク感と登場人物の魅力、あり得ない話の中にある夢、シリーズのどの作品でも読んでいると一緒に体験している気になってくるのです。まさに、本のVRだと私は思います。
また、私はミステリの分野も好きです。少し批判もありそうですが、ミステリを読む際は最後を読み犯人を知ってから読みます。
何故かと言うと、主人公の探偵だったり、刑事になる為です。もう一度読み返すより、最初から犯人を知り、犯人の動向を観察するのも意外と面白いのです。
自分が主人公になった感覚を味わいたい方にオススメです。

魚に親しむのにお勧めの二冊です

私はよく生物、特に魚を取り扱った本を中心に読んでいます。今回はその中から二冊を紹介します。一冊目は、「日本全国お魚事典(海竜社)」です。東京海洋大学山田吉彦教授とさかなクンがタッグを組み、約百種類の魚介類を紹介しています。魚だけではなく、鯨やウミガメまで紹介してあります。また、その魚が主に獲れる場所も地図で示してあります。自分の住んでいる場所で何が獲れるか探すのも楽しいです。さかなクンの描いたいきいきとイラストに惹かれ、眺めているだけでも楽しいです。食文化的な視点で書かれており、実際に教授がお店で魚を食べた時の話も書いてあるので、お勧めの食べ方が分かります。個人的にはマゴチを食べてみたくなりました。二冊目は、「思わず話したくなる(深海魚)のふしぎ(宝島社)」です。深海の不思議な生物を衝撃的なイラストとユーモラスな語り口で紹介しています。生物は不気味な生物や綺麗な生物、凄技を持つ生物などのグループごとに紹介されています。大食いの生物ランキング、大きさランキングなどこの本独自のランキングも面白いです。どちらの本もイラストが多めで、親しみやすい文章なので普段あまり本を読まないという方にもお勧めです。

読んだ後に優しくなれる本

『悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと』
本屋さんで何気なく目に止まった一冊で、ラスト30ページは涙がとまらないという帯が付いていて、気になって購入しました。
その日に早速読み出すと、もう止まらないといった具合に一気読みしてしまいました。
いくつかの物語で構成されていて、もちろん各物語に猫が登場しますが、全ての登場人物と猫が主役となっています。
一見、一つ一つの物語に思わせながら、時系列となっていて、いい意味で読者を騙す展開が何よりも驚きと感動でした。
実際に現実でもありえるようなストーリーなので、感情移入しやすく素直に引き込まれます。猫という身近な存在が、あらゆる人間関係を左右することに圧巻です。
猫を飼っている人、そうでない人も改めて動物の秘めた見えない力が垣間見ることが出来ます。
きっと、多くの方が何度も読み返したくなる本です。
作家の瀧森古都さんに関しては、この本に出会うまで知りませんでしたが、調べてみるとWEB小説もあって、主に感動するストーリーでした。
のちに、犬バージョンの本も出版されました。
猫バージョンとはまた別の、ちょっと不思議なストーリーです。
どちらも癒しと感動を求める時こそ、是非読んでいただきたい本です。