ロードレースミステリー「サクリファイス」

私が好きな本は近藤史恵さんの「サクリファイス」です。自転車のロードレースを題材としたミステリーで長編にも関わらず飽きません。
主人公の男性は若いうちは陸上競技をやっていましたが、周囲からの期待やプレッシャーが鬱陶しくなり、あるとき、テレビで偶然見かけたロードレースに心奪われます。そして、陸上をやめ、ロードレースの世界に飛び込むのです。しかし、そこは、一癖も二癖もある猛者の犇めき合う世界でした。不安を抱えながらも、練習に打ち込み、やがて、大きなレースに抜擢される主人公。そこからが、本格的なミステリーの始まりでした。
かつて、自分の地位を脅かす後輩に、わざと怪我させたという恐い先輩。しかし、それは、その後輩が禁止されているドーピングをしていたからなのです。しかも、その後輩は、今度は主人公の活躍に目をつけ、車椅子を使う身になりながら、かつての先輩にも復讐をしようと画策します。そこで、恐いと思われていた先輩は、自らの命を犠牲にしてまで、主人公を守ろうとします。ところが、真犯人が別にいました。
息もつかせぬ迫力ある展開のミステリーで、しかも、主人公の恋愛も伏線として絡んできます。ロードレースのことを全く知らない私でも興味深く読めました。オススメの一冊です。

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