ミステリ好きなら必修『十角館の殺人』

私のおすすめは綾辻行人さんの『十角館の殺人』です。ミステリ好きなら知らない人はいないくらいの超名作で、新本格ミステリの旗揚げともいわれる作品です。綾辻さんのデビュー作でもあります。
あらすじとしては、大学の推理小説研究会のメンバーが無人島へ遊びに行き、外界と隔離された中で殺人事件が起きるというオーソドックスなものです。しかし決してありきたりな物語ではなく、ミステリ好きな登場人物達の巧妙な設定や事件の起きる島の中と外を交互に描く手法、そしてラストにたった一行で世界が一変する推理小説ならではのカタルシスなどなど、見どころ満載で何度読んでも楽しめる作品です。
本作は綾辻行人さんの「館シリーズ」の第一作にあたり、十角館のあとに現在8作品が出版されています。すべて「○○館の殺人」というタイトルで、十角館に登場する建築家の手がけた館を舞台に事件が起こるストーリーです。シリーズ作品として微妙なつながりや伏線が張り巡らされていて通して読んでも面白いし、バラバラに一作ずつ読んでも十分楽しめます。
最近の新しいミステリには「館シリーズ」を意識したと思われる演出や設定があったりするので、推理小説好きだけどまだ読んだことないという人は絶対に読んでみたほうが良いと思います!